※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

介護保険

デイケア卒業をどう促すか。本人、家族、ケアマネの思いは?

通所リハビリテーション(以下デイケア)を卒業、終了するとう考え方はいまいち定着していない。

私のデイケアでもご本人と事業所が合意のもと利用を卒業するというケースは極めてまれであるといわざるを得ない。

そもそもデイケア卒業をどう促していくべきなのか、本当に卒業することがベストな選択なのか、私自身もよく分かっていない。

この記事は

・介護報酬的な卒業のメリット・デメリットは?
・卒業の促し方はどうすればいいのか?
・そもそも卒業を促していくべきかよく分からない。

という方にぜひ読んでいただいて一緒に考えてもらえたらと思います。

デイケア卒業を促すことのメリット・デメリット

事業所におけるメリット

メリットというべきか分からないがデイケアの加算の中で利用開始から6ヵ月間または三か月間は介護報酬が高く、それ以降は実質減算となる加算がある。おそらく、卒業を促していく方針の事業所であればこの加算は算定しているはずである。

メモ

リハビリテーションマネジメント加算Ⅱ
6月以内:850単位/月
6月以降:530単位/月

リハビリテーションマネジメント加算Ⅲ
6月以内:1120単位/月
6月以降:800単位/月

リハビリテーションマネジメント加算Ⅳ
6月以内:1220単位/月
6月以降:900単位/月

リハビリテーションマネジメント加算Ⅰは何か月でも330単位/月の算定なので
Ⅰに比べればⅡ~Ⅳ算定のメリットが6ヶ月を過ぎてもあるといえます!!

これとは別に生活行為向上リハビリテーション実施加算というものもあります。

メモ

3ヵ月以内の場合…1ヵ月2,000単位
3ヵ月を超えて6ヵ月以内の場合…1ヵ月1,000単位

リハマネ加算Ⅱ~Ⅳ、生活行為向上マネジメント加算どちらも、患者の急性増悪や退院直後に集中的にリハビリテーションを行うことで介護報酬が高く算定できる。

効率よく事業所を運営するには退院後、急性増悪後ではない利用者には卒業を促し、早期の加算をたくさん算定できるように利用者の回転を速くするべきであるといえます。

事業所におけるデメリット

デメリットというか、上記のリハマネ加算Ⅱ~Ⅳ、生活行為向上マネジメント加算は算定要件が厳しい。月に1回のリハビリテーション会議をケアマネ、家族、ドクター参加で開催しなければならない。

一番ネックはやはり医師の会議への参加だろうと思う。

ほとんどの施設でデイケアに在籍している医師は外来や老健と兼任なので、毎日数回の会議に参加することが難しいと思われる。

医師がテレビ電話で参加してもよいという緩和条件が平成30年度の改定で追加されたが、果たしてどれくらいの事業所がテレビ電話使っているだろうかw

利用者家族のメリット・デメリット

スタッフが集中的にリハビリ計画のもと関わってくれる、というのがメリットである。

しかし、利用者側がリハ加算Ⅰの場合とⅡ~Ⅳを比べて明らかにⅡ~Ⅳのほうが濃密な関りをしてもらえて質の良いリハビリを提供してもらえているっという実感がない場合は、それはデメリットでしかない・・・

家族も会議ばかり多くて利用費を多く払わなければならないのであればデメリットである。

また

せっかくここに慣れて、なじみの話し相手もできてきたのに、事業所を変えたくない。さみしくなる・・・

という利用者さんが多いと思います。

ケアマネージャーのデメリット

会議が多いと大変・・・

同じようなリハなら安いほうのデイケアを提案しよう

理想的なケアマネではないかもしれないが、これが現実・・・

こうなる原因は前述のように、高い加算をとり、卒業を促すメリットをデイケアが作り出せていないのが大きいと思います。

また、一度サービスを開始したらずっと同じ場所で利用できたほうがプランの大きな見直しもしなくてよいし、利用者、家族への説明も楽だし・・・という気持ちも大きいと思う。

 

急に卒業といわれても卒業できないで当たり前

利用開始前から終了ありきの説明をするべき

デメリットで紹介したように、卒業をいきなり切りだしても、利用者家族の思い、ケアマネの思いがあり理解を得ることがむずかしい。

利用開始時の説明、もしくは開始前のケアマネとの調整の時点で卒業を見据えたプランを共有しておく必要がある。

また、卒業後、デイサービスに移行するのか社会資源を利用した活動量維持を図るのかなど具体的に提案を開始当初から行っておくことで目標設定をしておくとスムーズに移行できると思う。

卒業が見込めるターゲットをしぼる

トミー
この方は生活自立度も高く、すでに近隣の社会資源の利用もある。もうしばらくリハビリで身体機能を向上すれば、卒業できそうだなぁ

まずはそのような利用者が利用開始となるところから始めてみてはどうだろう?

ほとんどの地域で、事業所のスタッフや近隣のケアマネも卒業をどう進めていくべきか慣れていないのが現状だと思うので、こちらも促し方の練習、理解が必要。

結論 卒業を促すべきなのか?

結局、

デイケアは集中的にリハビリするところ

デイサービスは食事、風呂提供、家族のレスパイトで利用するところ

この明確な区別がない以上はどんどん卒業を促していくべきではないと私は考えます。

特に私の地域では、近隣にデイサービス事業所が少ないことや社会資源も少なく、そこまでの公共交通機関も少ない。

むやみやたらに卒業を促せば、利用者を路頭に迷わす結果になります。

事業所的にも地域特性上、どんどん新規利用者が来られるわけでもないので、利用者卒業が多くなると経営上厳しいといいうのもホンネです。

-介護保険
-