
うちの子のボールに反応するスピードがとっても遅い・・・
反応はできてるみたいだけど足が出てこないなぁ・・・

小学生のバレーを見ている親御さんならこんな疑問を持たれる方が多いのではないでしょうか?
『足が出ない!』ってもはや小学生バレー界の常套句・・・
そのような子供たちの動きをよーく観察すると、
素早い反応や運動に必須といってもよい動きができていないのに気が付くと思います!
それはスプリットステップです。
改めまして私の自己紹介
著者の信頼性(怪しいサイトかよw)
名前:トミー
小学生男子バレーチーム(クラブチーム)の元コーチ。
現在は小学生女子バレーチームのコーチ。
2019年、指導するチームが全国小学生バレーボール大会にてベスト16の成績を収める。
野球でもサッカーでもラグビーでもテニスでもこのスプリットステップをしていないプロ選手なんていません。
瞬間的な速い動きを伴うスポーツでは必須の技術です!
(例外的に卓球はノンステップのこともある・・・移動距離が短いから)

このステップをマスターすれば格段に動きが向上します!!
コンテンツ一覧
スプリットステップとは?バレーボールでの役割
スプリットステップの動きのポイント
スプリットステップとは動き出す直前に小さくジャンプし着地するステップです。
着地は足を開いて重心を低く保ったまま着地します。
ただ単に地面にべったり足をついてボールに反応するよりも格段に動きやすくなります。
習得してしまえば無意識的にステップできるようになります。
私自身も、これがスプリットステップだよ!と指導を受けたことはありません。
ただ、バレーが上達してくるといつの間にかできるようになっている子供達が大半だと思います。
なぜこのステップが“反応速度”に影響するのか?
ピョンと飛び、着地することに何の意味があるのでしょうか?
ただ、タイミングをとるとか、瞬間的に集中力をビッと高めるとか
そういう意味ではありません!
運動に慣れていなかったり、筋力が弱い小学生低学年の子供たちは、できていないことが多いです。
逆にこのステップが自然にできると、動きが格段に向上します。
実はこのステップは、筋肉が瞬発的に動かすことができる状態にするのに必須の動作といってもよい、重要な動作なのです!
このステップがいかに重要かを説明するにあたり、分かりやすくするために、まず筋肉の特性を2つご紹介します。
それは
筋肉の特性
1.筋肉はある程度引っ張られているほうが筋力発揮しやすい。
2.筋肉や腱を瞬発的に伸ばす(伸張させる)と筋力発揮しやすい。
この二つを詳しく解説しましょう!
1.筋肉はある程度引っ張られているほうが筋力発揮しやすい
皆さん輪ゴムを飛ばして背後から人の頭をパチンって撃つことを想像してください!
より強くパチンとしたいときには輪ゴムをより強く(長く)引き延ばしますよねぇ?

同じく筋肉も引き延ばした方が収縮した際に強い力が発揮されます。
ただし輪ゴムと違うのは完全に伸ばしきってしまうと筋の収縮力は逆に落ちます。
ある程度引っ張られている状態(自然長)はバレーでいうどの状態か?
それは、構えの姿勢です。
スポーツにおいて力を発揮しやすい姿勢にパワーポジションといわれる姿勢があります。

上の写真では各関節が軽度屈曲し、筋張力が程よく上がった状態、
腓腹筋、大腿四頭筋、臀筋、腰背筋膜などが程よく伸長され筋力発揮しやすい姿勢となっています。
2.筋肉(腱)は瞬間的に引き延ばされると逆に縮もうとする反射が存在する(クイックストレッチ)
脚気(かっけ)の検査って知ってますか?
膝のお皿の下を打腱器(医者が持ってるハンマーみたいなやつ)でコンって叩くと足(下腿)がビヨ~ンて伸びるやつです。
膝蓋腱反射っていうんですけどね・・・

あれは大腿の腱に刺激(伸長刺激)を加えることで太腿の筋肉が『これ以上伸びたらあぶね!』と錯覚して逆に筋肉を収縮させるんです。
それは身体のどの筋肉でも起こります。
小さくステップして着地した瞬間、アキレス腱、太腿の大腿四頭筋、臀筋などが瞬間的に引き伸ばされることで、瞬間的に収縮します。
この収縮(クイックストレッチ)した瞬間は筋肉が非常に動きやすい状態になるといわれています。
正しいスプリットステップのやり方とタイミング
着地・足幅・重心・目線のポイント
スプリットステップは重心を足の前のほう(前足部)にかけ、小さくジャンプします。
着地したときも前足部への荷重を意識してください。
踵を接地することは問題ありませんが、重心はあくまでも前足部です。
足は肩幅かそれよりも広く開き、膝を曲げて重心を低く構えます。
どちらかの足をやや前に接地することで、前後のボールへの対応も素早く行えます。
タイミング
ステップのタイミングは“ボールが動き出した時”です。
スパイク、サーブのミートの瞬間、ブロックされた瞬間などです。
厳密に言うと、この瞬間にスプリットステップの着地を合わせます。
ステップの開始時のジャンプを合わせると一歩遅れますw
子供たちのスプリットステップを見ていると、
慣れてない子はこの微妙なタイミングのズレがあることがあります。
映像で見る高校生の例
youtubeから素晴らしいバレーボーラーの映像を探してきました。
今回はプロの試合の様に“引き”の映像では分かりにくいのでこちらを参考にしてみてください。
出典:GoGo Sports 様(https://www.youtube.com/watch?v=xwR17gbHuwY&t=182s)レセプションやディグをする守備側の選手の足元に注目してみましょう!
相手が打つ瞬間にレシーバーの三人が同じタイミングで少しだけぴょんってしてるのがお分かりいただけるでしょうか?
スプリットステップをすることによって身体が動きやすい状態を作り出しているのです。
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スプリットステップを速く・正しくする練習方法
小学生、特に低学年が練習する場合は・・・・

間違いなくここまで書いてきたようなうんちく垂れても全く届きません!
でも休憩時間に鬼ごっことかしてるの見ると自然にできていたりしますw
そんな時はケンケンパでもしてみましょう!
ケンケンパ練習法

①その場でケンケンパを練習
まず、ケンケンパができないと話にならないのでその場で右、左、両足!でもいいし、右、右、両足!でもいいのでケンケンパをさせてください。
最後の『パ』のところがスプリットステップ!
ケンケンはリズムをとってイメージしやすいようにしているだけです。
②『パ』の直前もしくは同時に左右前後にボールを出してやる
ケンケン・・・『パ』の直前、同時くらいのタイミングで前方からボールを出してやる、それをキャッチでもいいし、レシーブさせてみてください。
『パ』の瞬間にパワーポジションに構えているか?
スプリットで着地した瞬間にボールの方向に動けているか?
チェックしてあげてください!
③慣れてきたらより実践的な応用をする
次は相手のスパイクやサーブのタイミングに自分のケンケンパを合わせる練習をします。
相手のサーブトス、モーションを見てケンケンとタイミングをとったり実際にケンケンする。
サーブをヒットする瞬間に『パ』ってあわせてスプリットステップをします。
その際は、目線がぶれないように、体が起き上がらないようにステップします。
目線、姿勢はボールに対して素早く正確に入る(レシーブする)為に重要な要素となります。
ラダートレーニング
トレーニング用品としてはラダーがよく使われます。
ラダーはスプリットステップのトレーニングだけではなく、
基本的な筋力やステップワークを鍛えるためにも使うことができます。
視覚的にステップする基準を設けることで、分かりやすく楽しくステップ練習ができます。
注意点
②相手のモーションでステップの姿勢は変化する
例えば明らかに前に落とすフェイントが来る!っとわかった瞬間のスプリットはどちらかの足がやや前に出ながらのステップになるでしょう!
このステップは抜重ステップと言います!
また左右に動きながらのステップになることもあると思います。
要するに状況に合わせてスプリットの幅が変わったり、他の応用的なステップをすることがあるということです。
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まとめ
子どもたちは理論よりも体で覚えていきます。
特に低学年の3年生くらいまでは理論や指導やお叱りはほとんど頭に入っていきませんww
身体の使い方を学ぶには身体を正しく使うことです。
その手助けをするのが指導者の努めです!
